ウォーターベッドの２階への設置

ウォーターベッドになると２回への設置は少し考えなければならないんですね。ウォーターベッドは水漏れの事故もありますからね。
でも寝心地は一番だと思います。（体圧的に）

（以下引用・読売新聞）

ウォーターベッドの２階への設置

　木造２階建て(築３０年ほど)の家に住んでいます。ウォーターベッドを購入したいのですが、寝室が２階なので重みに耐えられるかどうか、設置することへの不安がぬぐいきれません。

　ウォーターベッドの販売店には「何の問題もない」と言われましたが、住宅販売をしている従兄弟の話では、難しいような感じでした。ネットで調べた結果、ウォーターベッドの重量は７２０キロ・グラム、荷重は２１０キロ・グラムほどと書いてありました。やはり、２階への設置は無理でしょうか？

熊本県宇城市　るーしぇ(会社員)

新築の設計であれば、必ず床補強等を検討する荷重です。築３０年ということもあり、耐震性も含めて確認することが必要でしょう

　「重量は７２０キロ・グラム、荷重は２１０キロ・グラムほど」とは、総重量が７２０キロ・グラムで、均（なら）すと２１０キロ・グラム／平方メートルということと思われます。ユニットバスとその浴槽に水を満たした程度の重量です。

　一般の木造住宅には、部材の構造計算までは義務付けられていませんが、建築基準法の規定では、住宅の構造計算時に、床1平方メートル当たり次の積載荷重(建物の自重以外の家具等の重量)を用います。

（１）床の構造計算
１８０キロ・グラム／平方メートル(正確には１，８００Ｎ/平方メートル)

（２）大梁、柱、基礎の構造計算
１３０キロ・グラム／平方メートル(正確には１，３００Ｎ/平方メートル)

（３）地震力を計算
６０キロ・グラム／平方メートル(正確には６００Ｎ/平方メートル)

　通常の床組であれば、この程度の規定はクリアできています。部分的な床としては（１）、部屋単位や全体では（２）（３）の荷重を想定しています。

　上の数値を見ても、２１０キロ・グラム／平方メートルという荷重はかなり大きなもので、それなりの補強が必要です。ユニットバスを２階に設けるとき、何も補強しない設計者・施工者はほとんどありません。

　根太が丈夫で、直下の柱も多い等で床は大丈夫であっても、（３）を考えると６畳間では足りず、７．５畳や８畳間に均せば足りますが、それでもタンスその他のものを置く余力がほとんど残りません。２階全体での大まかな積載荷重総量を算定してみるのも、判断材料になるのではないでしようか。

　「築３０年ほど」とのことですので、昭和５６年建築基準法改正以前の建物になります。その当時に、建築基準法ぎりぎりで設計・施工された建物の耐震性能は、現在の基準の半分程度しかありません。そのような状態の２階に大きな荷重を増やすことは、さらに耐震性能を損なうことになります。

　建築基準法からどれだけの余力を持っているかは建物ごとに違いますので、耐震診断等、専門家にご相談されるのも一法です。またウォーターベットでも、より水量の少ない(軽い)ものであれば、建物に対する負担も小さくなります。

社団法人　日本木造住宅産業協会　技術開発部長　飯山道久

※編集部注

　ウォーターベッドの製作・販売大手の「ドリームベッド」（本社・広島市）によると、２人用の大型ウォーターベッドの場合、水の入ったベッドを入れるフレームによって、ハードサイドタイプ（約７００～８００キロ・グラム）とソフトサイドタイプ（約４００～５００キロ・グラム）があります。ご質問のベッドはハードサイドタイプと見られますが、荷重が大きいこのタイプの場合、耐荷重が建築基準法の最低ガイドラインを越えるものもあるので、どうしても心配な場合は、住宅を建てた工務店や建設会社と相談の上、客の意向に沿って設置しているとのことです。

　また同社では、床が抜けないかどうか、あるいは床にたわみができないかなどのテストを実施していますが、床のたわみ量は許容範囲の３分の１程度。破壊テストでも、規定の約７．５倍の荷重をかけても、破壊には至りませんでした。過去２５年間、約５万人のユーザーからは、床が抜けたなどのクレームや、保障事故の経験は１件もないとのことです。

（2007年4月27日  読売新聞）

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